遺品を整理するという、変わった会社の話。
「そういえば、自分が今死んだら、いったい遺品はどうなるのだろう」と思い手に取った。
・孤独死は、悲しいだけじゃない
本書は、46のショートストーリーで構成されているが、そのストーリーがいくつも出てくるのが「孤独死」の現場だ。
自殺と並んで、現場の悲惨さが目に付いた。
「1年気づかなくて、遺体はミイラになっていた」
「悪臭がするからという苦情で大家が部屋を開けると、そこからウジが大量に」
孤独死というと、現代社会が生み出したすごく悲しい出来事だと思っていたが、その悲しみと同様に現場はすごいことになってしまうみたい。
・死んだら、もう片付けられない
親類ですら入ったことがなかった故人の部屋に、亡くなって初めて入ったらびっくりという部屋も紹介されている。
「部屋に入ると、アダルトビデオの山。ほかにエロ雑誌の類が数百」
「猫が20数匹、一面猫の毛だらけ」
人は死んだら、当然自分のものであっても、片付けることも処分することも不可能。
本書のラベルにも書いてあったが、「明日、あなたの持ち物が遺品になるかもしれない」
そう思うと、今部屋にあるものは、明日遺品になっても大丈夫なものだけにしたい。
死んでしまったら、もう恥ずかしいと思うことはないのだろうけれど、やっぱりそう思う。
・できれば、自分が死んだらメールとかデジタルな情報は残したくない
Gmailなど大容量のメールサーバーの登場で、メールは消さないのが当たり前の時代になった。
ほかの音声や動画などのデジタルコンテンツも同様に、ほぼ半永久的に残せる時代になってきている。
逆に言えば、意図的に消そうと思わないと、消せない。
でも、死んだら消したい情報ってあると思う。
もちろん、遺品整理屋さんでは整理できない。
パスワードがわからなければ、誰も見ることができないのかもしれないけれど、遺族とかが開示を求めたら開示するような法律ができてしまうかもしれない。
そうなってもならなくても、遺品と同じく、死んだ人はその人のデジタル情報は消せはしない。
自分が死んだら、消えてしまうデジタル情報。
そんなサービスがあったらいいなと思う。